乾性角結膜炎(KCS)に対する先進医療

こんにちは。東久留米の犬猫専門動物病院、ハル犬猫病院です。

当院でも実施している、先進医療である脂肪幹細胞療法のKCSに対する治療反応の報告をご紹介します。

今回の治療対象は通常の治療(ステロイドや免疫抑制剤)に反応しない12頭のワンちゃんです。

【対象】

・ステロイド、免疫抑制剤(タクロリムス、シクロスポリン)、人工点眼などの既存療法に対して反応しない12頭の犬。これらの犬のSTT(涙液量検査)は両眼とも10 mm/min以下。(国内での参考値は15mm以上)

 【処置】

・麻酔下にて涙腺周囲に幹細胞を1回注射で投与。

・第三眼瞼腺(瞬膜)周囲へ幹細胞を1回投与。

・人工涙液点眼をしていた患者については継続的に実施。

 【結果】

 ・全体的に移植後3ケ月で顕著に回復。この回復はフォローアップ期間中も維持しており悪化はなかった。

・STT(涙液量検査):9/12頭(75%)が通常の犬のノーマル値(20.2±3.0)とほぼ同程度に戻った。

参考文献:Use of Adipose-Derived Mesenchymal Stem Cells in Keratoconjunctivitis Sicca in a Canine Model

BioMed Research International Volume 2015, Article ID 527926

症例数は少ないですが良好な結果が得られていますね。

脂肪幹細胞療法リンク https://haru-anim-kurume.com/stem/

獣医師 鬼木

西東京、小平、花小金井からもアクセス良好な動物病院 東久留米ハル犬猫病院

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