こんにちは、東久留米の犬猫専門病院、ハル犬猫病院です。
みなさん、猫にもフィラリア症があるってご存知でしたか?
猫に寄生するフィラリアの数はごく少数であることが多いのですが、たった一匹のフィラリア寄生により突然死することもある怖い病気です。今回はあまり知られていない猫のフィラリア症を解説します。
フィラリアは蚊がもってくる寄生虫で、蚊が血を吸う際に体に侵入してきます。
その後、猫の体内ではフィラリアの多くが猫自身の免疫力により感染後3−4ヶ月で成虫になる前に死んでしまいます。その際、フィラリアの死骸は肺の血管に流れていき、急性の炎症を起こします(第Ⅰ病期)。これをHARD(Heartworm Associated Respiratory Disease)といい、食欲の低下や吐き気のほか、咳や呼吸困難など、喘息のような症状を引き起こします。
この猫の免疫を乗り越えて生き残った一部のフィラリアはその後成虫となり、数年の間特に悪さもせず猫の体内で生き続けます。しかし2−3年後には寿命により死んでしまいまい、この死骸が再び肺の血管に流れていきます。
その結果重度の炎症や血栓を発生させ、急激な呼吸困難や咳、突然死をもたらします(第Ⅱ病期)。この第Ⅱ病期を乗り越えた猫ちゃんたちは、肺の細胞の過形成(変形のようなものです)を起こすため、慢性の呼吸器病(すぐ咳をする、息が普段から浅いなど)を持つようになります。
このように、猫のフィラリアは咳や呼吸困難を症状とする「呼吸器病」をもたらす病気なのです。
フィラリア症は恐ろしい病気ですが、1ヶ月に1回の予防薬でほぼ確実に予防できます。当院では猫のフィラリア症に対して、背中に垂らす外用薬を処方しております。蚊の多いエリアにお住いの方はぜひ予防してあげてくださいね。
獣医師 鬼木
西東京、小平、花小金井からもアクセス良好な動物病院
東久留米ハル犬猫病院
東京都東久留米市前沢3−10−30
TEL. 042-420-6353