肝酵素が高いだけで肝臓用療法食を与えないでください!

こんにちは、東久留米ハル犬猫病院です。

健康診断などで肝臓の数値(ALT、AST、ALPなど)が高かったので、肝臓用のフードを与えていますという方がいらっしゃいます。

今はインターネットで特別療法食も入手可能ですので、「肝臓が弱いから肝臓用のごはんを与えよう」と、前向きに取り組まれているのだと思います。

しかし!それは逆効果かもしれません。

特によく見られるのが「ロイヤルカナン肝臓サポート」の間違った使用です。この「肝臓サポート」自体は知名度が高く、とても優秀なフードです。

しかし、このフードは「肝酵素が高いコに与えるフード」ではなく「肝機能障害でタンパク制限が必要なコに与えるフード」です。体内でのアンモニア生成を抑えるためにタンパクを制限してあります。

代表的な適用疾患は門脈体循環シャント(肝臓に入る血管の奇形)です。しかし一般的な肝障害においては、肝細胞の回復にタンパクが必要なんです!

つまり、軽度の肝炎や空胞性肝障害などでは逆効果になってしまいます。確かに名前がまぎらわしいとは思いますが・・・、気をつけてくださいね。

獣医師 鬼木

西東京、小平、花小金井からもアクセス良好な動物病院 東久留米ハル犬猫病院

東京都東久留米市前沢31030

TEL. 042-420-6353