こんにちは、東久留米の犬猫専門病院、ハル犬猫病院です。毎週月曜日は動物の腫瘍に関する情報を発信しております。
犬と猫の脳腫瘍に対する化学療法の報告は限定的となっていて、一般的に認識されているのはグリオーマ(神経膠腫)に対するニトロソウレアと髄膜腫に対するハイドロキシウレアです。
脳には他の臓器と異なり血液脳関門という特殊な構造があります。この構造は血液と脳脊髄液の物質交換を担っている機構で脂溶性の薬物は容易に通過することができます。
ニトロソウレア系のカルムスチンやロムスチンという抗癌剤は脂溶性が高く血液脳関門を容易に通過することから脳腫瘍、特に実質内腫瘍であるグリオーマに対して比較的古くから適用されています。
主な副作用は骨髄抑制で、投与1〜2週間後に一過性の顕著な白血球減少症を生じます。
この白血球減少症は3〜4週間で基準値へと回復しますが長期投与すると蓄積性の骨髄抑制が認められるようになり白血球数の回復が乏しくなるか遅延してきます。
獣医師 元風呂
西東京、小平、花小金井からもアクセス良好な動物病院
東久留米ハル犬猫病院
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